みちのく便り あとがき

 岩手課外活動は、本来26年前から始めたことで、震災とコロナ禍の影響により4年間の空白ができてしまいましたが、それでも第22回を無事終えることができました。もっと近い場所で、費用も高額にならないように…と毎回考えるテーマなのですが、やはり岩手でしかできないという結論に至ります。

➀「海水浴場」・・・子ども達にとって楽しみの一つである海水浴。自然の岩を利用した環境、監視員常駐、すぐ近くに無料の海の家、 そしていつも空いているという点は、この船渡海水浴場でしか味わえない環境です。安心、安全に、おもいっきり海水浴ができるこの環境はそう見つかりません。
②「岩手県立子どもの森」・・・一日居ても飽きず、イカダ遊び、キャンプ、宿泊もできるほどの施設です。この課外活動では一部施設で遊ぶのみですが、体験プログラムなども踏まえると数日は滞在できそうです。
③「もぐらんぴあ」・・・小さな水族館ですが、身近に感じられる海洋生物の展示が人気で、子どもを飽きさせないユニークな内容になっています。今回も2時間滞在しました。
④「八幡平」・・・岩手と秋田の境にあり、雄大な自然は目に焼きつき残ります。今回は視界10m位の霧の中でしたが、お土産売場(トイレタイムも有り)に寄ると、秋田県の名物も沢山有り、子ども達は 「秋田にも行って来た!!」と報告。家族連れでも、是非訪れて、歩いて欲しい所です。
⑤「葛巻高原」・・・一言で言うと、スイスに行った気分になれる場所です。美しい空、深い緑の山々、そして大草原と動物たちといった風景が広がり、ぼーっとするだけでも癒されます。何よりソフトクリームが美味しい。4mの木のタワーに、今回参加の20名の半数が上迄挑戦して「自信がついた!!」と感動していましたので、安全を確保しながら、子ども達の体力、自信を育ててくれるこのような遊具はありがたいものです。これも最初の頃から有り、訪れる子ども達の運動促進に貢献してくれる場所で、子ども達はずっと離れず遊んでいます。 ここでも2時間近く滞在しました。
⑥「えぼし荘」・・・眼下が大平洋で、烏帽子岩が見えることからこの名前で、毎日朝日を望め、私の部屋から最高の日の出を撮りましたので、見ていただければ、環境の素晴しさが解ると思います。以前に利用していた「苫屋」と違って貸切ではないのですが、約束事は守り、迷惑をかける事も有りませんでした。宿泊階は、私は2階、他全員3階でしたが、全員静かに過ごすことができたようです。特に男子8名が一室に集合して、自主的にお楽しみ会を開き、自己紹介をして、お菓子交換をし、それが最高の時時間だったそうです。後で、「○○と友達になった。」と報告に来てくれた子もいました。

 この様に、今回行った場所の説明をしましたが、これだけの素晴らしく、安全な場所があるかどうか、ということです。
 本来、アクセスについても最初は、本厚木、盛岡間の夜行バスが運行されており、今よりももっと楽でした。今後、又この路線が復活することを願っています。

 今回も子ども達から聞こえたのは、「いなかの人達のやさしい言葉かけがうれしかった。海老名では無い。」と言うことで、都会と田舎の違いですが、ゆったりとした時間の生活からくることだと思います。皆それが必要としている事なのだと思います。社会全体がそのようになっていくと、住みやすく、人と人との関りも深まり、助け合って生きていけるなるのではないでしょうか。そのような場所になったら理想です。

 岩手の活動は、バスや宿泊施設の確保の都合から、多くの児童の参加を募ることが難しい現状があります。もっとたくさんの子ども達が参加できるようになるには、もう少し近場で、日数も短く、費用も安くということになると思いますが、そうなるとこの岩手課外活動での”親元から離れての活動”の度合いが大きく違ってきます。4泊5日の旅で、子ども達は本当に自立し、集団生活がしっかり身について、団結して助け合って行動できるように成長します。このままもう少し続けて学ばせたい、と思う毎回で、素晴らしいな子ども達と出会えた事に感謝しながら、老骨にムチ打って臨んでいます。

 このような考えの下、日々の保育、そしてこの課外活動を行っておりますので、どうかご理解いただければ幸いです。

改めまして参加してくださったことに心から御礼申し上げると共に、次に向かっていきます。

                                    園長 米田記