令和4年度 白馬だより~3日目~

 最後の日になり、子どもたちには「夕方には家へ帰れるよ。」とあえて声をかけました。今回1,2年生の参加が3分の1ありましたので、頑張らせる意味合いもありました。

 朝から皆元気に起きて、帰る準備をしました。ミーティア側も部屋の清掃の都合がありますので、室内を空けて、ロビーに荷物を降ろさなければなりません。朝食のメニューはサラダとスクランブルエッグ、ソーセージ、パンでしたが、サラダとスクランブルエッグはほとんど手をつけなかったり、2個載っていたパンのみ食べた子もいました。
 長年保育園を運営してきて、若い職員とも一緒に仕事をしてきましたが、職員の中でも小さい頃の食生活が影響し、大人になって偏りが表れて悩んでいる声を聞きます。今は食も選べて、好きな物だけが食べられますが、バランスが良い食事、特に日本食が健康に良いことが見直されている時代、健康の源だということを幼い時から教えて、好き嫌いの少ない食生活指導が大切だと考えています。親から離れれば尚の事。食べる毎に声掛けをしていますが、小さい子はやはり食が細いようです。

 本日も8時半にミーティアを出発しました。私は昨晩から体調があまり良くなかったため、ペンションで待つことにしましたが、皆「楽しかった!!」、「滑れるようになった!」と元気に、そして嬉しそうに帰ってきて安心しました。この日も初級、中級、上級コースに分かれて滑りましたが、初級コースから3名が、中級コースに移ったそうです。級を移ってからもしっかりと滑れたそうで、中には「もっと早く中級に行っておけば良かった。」と残念がっていた子もいたくらいです。初級コースの子ども達も、昨日までの不安そうな顔から一転、自信に溢れた顔で、短い時間の中でもリフトに2回乗って麓まで降りられるようになったそうです。やはり子どもたちのこの成長スピードには毎回驚かされ、隊列を組んで降りてくる姿を見ると感動を与えてくれます。今回は写真で見ることになりましたが、それでも感動しました。上級コースの子どもたちは、今日は強風の影響も無く、ゴンドラでかなり高いところまで行けたそうです。板を平行にして滑ることも教わり、さぞかっこよかったことでしょう。

 滑れるようになったのも束の間、帰る時間が近づいていることに残念そうな様子でしたが、ミーティアに帰ってきてすぐにレンタルのウェアを返却し、荷物を再度まとめて昼食です。
 昼食はカレーライスでした。昨日のスキー場での昼食はハヤシライスでしたが、どちらも子どもたちの好きなメニューなので、美味しそうに食べ、おかわりの回数も多かったです。食後はすぐに荷物をバスに載せる為てんやわんやするので、荷物は自分の物だけでなく、どんどん高学年が手伝ってくれ、その後ミーティアやインストラクターの方々に挨拶をして、バスに乗り込みました。
 

 白馬を発つ前に、子どもたちも楽しみにしていたお買い物の時間です。スキーをしていた「いいもりゲレンデ」のお隣、白馬五竜スキー場の「エスカルプラザ」に大きなお土産屋さんがあり、そこで買い物をしました。皆本当に楽しそうでした。低学年の中には今回初めて1人でお買い物をする子もいました。そういった子には、レジの近くで待機している職員がそっとフォローをします。緊張した面持ちでレジに並び、不安そうにお金を取り出し、買った後の達成感に溢れた顔は毎回印象的です。お買い物、トイレを済ませて1時40分頃に白馬を発ちました。道路上の雪は少なく安心でした。皆も疲れていると思い、しばらくの間はお昼寝をさせて、ゆっくり過ごしました。

 お昼寝タイムで1時間半ほど休み、15時頃に諏訪湖サービスエリアにトイレ休憩で立ち寄りました。皆外に出て空気を吸い、私はその間にアイスを買いに行きます。実は昨日温泉に行ったメンバーには、ロビーにあった自動販売機でアイスを買っていたので、不公平にならないよう、残っていたメンバーには最終日に買ってあげると約束をしていました。

 諏訪湖を出発してからはバスの中で最後のミーティングをしました。バスの中のマイクを借りて、順番に感想を発表してもらいます。
「楽しかった。」
「最初は怖かったけど慣れて、どんどん滑れるようになった。」
「もっと滑りたかった。」
「来年も参加したい。」
との意見が多く、安心しました。
今回引率していた虹の子クラブのOGの2名も、自身も白馬課外活動に6年間参加していた経験と併せて、2日間子どもたちの側で感じた成長をわかりやすく説明してくれて、それを聞いた子どもたちも励みになったのではと思うと、嬉しくなる先輩の言葉でした。

 そこからさらに1時間半ほど進んで初狩サービスエリアに着くと、そこではトイレ休憩を挟んで恒例のプレゼントタイムです。毎回頑張った子どもたちに、私がこの旅の間で用意したプレゼントを渡すのですが、中々思うような品物が見つからず、それも購入していることを子どもたちに悟られないようにしなければならないため、毎年悩みでもあり楽しみでもあります。今回特にお手伝いを頑張ってくれた6年生、5年生、それと小さいながらも頑張った1年生に特別賞を贈りました。今まで車内も静かでしたが、子ども達も興奮したのか、ここから賑やかになり、互いにコミュニケーションを取っていました。

 今回の旅の中で感動したことの一つが、バスの運転手さんと子どもたちの姿でした。白馬課外活動では毎年大型バスを株式会社朝倉自動車のアツレン観光バスさんにお願いしていて、運転手さんも何名か顔なじみなのですが、今回の運転手さんも私たちの課外活動の運転が2回目の方でした。物静かな50代の方で、ミーティアで朝夕一緒に食事をする位で、子どもたちとはこれといった会話はなかったのですが、中新田小学校で荷物を降ろして先にバスが出る時に、「ありがとうございましたー!!!」と子どもたちが手を振り、運転手さんも手を振り返してくれる光景は、まるで映画のワンシーンのようでした。言葉だけではなく体からにじみ出る子どもたちの感謝の気持ちを感じ、素晴らしい光景だと、本当に良い子たちだと、嬉しく思いました。

 保護者の方々に無事に子どもたちをお渡しでき、私達も安心して終えることができました。それぞれがお土産話を親御さんに沢山話してくれることを願っています。

園長 米田記