夏の白馬だより~あとがき~

 今回は新型コロナウイルスの影響により岩手に行けない分、行先変更で白馬に切り替えての課外活動となりました。希望者約50名の中から、4年生以上からの高学年のみ参加と決めた事もあって、やはり例年の2~3年生の子ども達を含めた引率と比べると非常に楽でした。1~3年迄は幼少期の成長段階でもあり、まだまだ一つ一つ見てあげないと、集団生活でも手がかかります。

例えば、

・話を聞いていない

・自己管理ができない(忘れ物、準備、片付け)

・精神的な不安定さ

・協調性の不足

・自分の意思を上手く伝えられない

等々が挙げられます。

よって2~6年生と年齢層に幅のある引率は、指導はベテランでなければ難しいのです。今回はそういった意味で楽であり、低学年との発達段階の違いを私たちも勉強させられました。

 課外活動をする上で一番重要な事は、「母子分離」体験です。いつまでも親と子は一緒に居られる訳でもなく、いずれは離れていってもらわないと親は困る、また親が子に依存する場合もあり、どちらにしても不幸を招きかねないので、早く気付くべきなのです。そこに少しでも役立てる機会であれば幸いです。

 1日目の川遊びでは、浅瀬なので水着は着ずにサンダルだけでしたが、何もない中で子ども達は工夫して遊びを見つけ、歓声を上げながら他の子ども達と交流を図っていて、見ている方も引き込まれ楽しい時間でした。

 2日目の大雪渓トレッキングは、往復3時間の行程に良く耐え、頑張り、見事だったなと思います。高学年のみの参加だったからこそできた活動でした。新型コロナウイルスに1年以上も縛られ、不自由な生活の中、新鮮な空気と鮮やかな緑の中を、小鳥の声を聞きながら過ごすことで、身体や心に溜まっている不自由への不満を大自然にぶつけ吐き出すことができ、至福の時間だっただろうと思いますし、日常生活に戻ってからその変化に各々が気付いてくれたら本当に有難いと思います。大雪渓トレッキングに関しては感想の文章や発言の中でも「良かった」との感動を伝えてくれました。買い物は例年最終日に短い時間で慌ただしく終えていたので、今回店内には他のお客さんがおらず、落ち着いてできて良かったなと思います。

 3日目は気球に乗りましたが、これは圧巻でした。映像では見慣れていましたが、目の前の重量感は現場でないと体感できないもので、良い体験でした。ツリートレッキングはそれぞれの個性が、それも普段は見ることにできない面を垣間見られた体験となりました。普段からリーダー気質の子が、高いところが怖くてチャレンジするのをためらったり、開始直前まで弱音を吐いていた子がいざ初めてみるとケロッとして最後には中級コースもクリアしていたりと、普段の学童での生活では知り得ない面を知ることができた貴重な体験でした。ツリートレッキング後の温泉も、オーナーの方との思いがけない出会いがあったからこその特別メニューとなり、その出会いに感謝です。

 先にも述べましたが、高学年主体の団体だったからこそ、引率が非常に楽で助かりました。この課外活動を終えて子ども達が各家庭に帰り、変化や感じた事、要望等ありましたら、次の活動に繋げて参りますので、ご意見お寄せいただければと存じます。

 最後に、この特別編の白馬課外活動にご参加くださり、改めて感謝申し上げます。もしかしたらこの夏の白馬は幻の課外活動になるかもしれません。子ども達に沢山の経験をさせてあげたい。親から離れて自己管理、自立の場を提供したい(母子、父子分離)。学年や所属学童の違う児童との共同生活の中で、基本的な生活習慣の学習や仲間との助け合いの心を育てる。以上を目的としてこれからも続けて参りたいと思います。今後ともご支援を宜しくお願い申し上げます。