園外保育は園長の家


6月10日は保育園の、月1回の園外保育でお弁当の日です。
どの子も、お母さん手作りのお弁当を大切に抱えて来ます。
離さない赤ちゃんもいます。
おりしも前日の夜遅くに、海老名市役所から、豚インフルエンザ発生の緊急連絡が入りました。
これでは外に行けません。
保育室を変えたり園庭で食べたりの方法しか有りません。
(私の家に招こうかな?)と。
「囲炉裏や縁側が有るのできっと喜ぶだろうし25名ぐらいは大丈夫。」
と、担任に相談しました。
我が家は最近引っ越しをして、都合の良い職員18名を招いて、私の誕生会と引っ越し祝いをしたばかりで、職員も家の中の事は知っています。
「先生が宜しければ、是非!。子どもたちは大喜びと思います。囲炉裏や縁側を知らない子たちですから。」
「昨日、海老名に豚インフルエンザが発生しました。運動公園には行けないけれど、その代り園長先生の家に行って、お弁当を食べましょう。囲炉裏や縁側があるから」
と、朝礼で告げると
「やったー。僕は縁側で食べたい!」
と、皆、おおはしゃぎで歓声をあげて
「園長先生の家?」
と、信じられない顔をする子もいました。
なぜ私がこんなことを思いついたかと言うと、私が小学生の時の担任の先生が、先生の下宿先に遊びに行くと、食事を作ってくれたりして、母子家庭で有った私に目をかけてくださいました。
今でもその時の楽しさ思いは忘れることは有りません。
子ども達に楽しい思い出を作ってあげたい。
これが私が恩師から受けた思いで有り、私が子供たちにしてあげることが、恩師へ返すことでもあると思ったからです。
使う部屋は2部屋限定で、危険を避けました。
10帖のフロアに囲炉裏があるで、子供たちはおおはしゃぎで南部鉄瓶がごとくに乗っているのを見て
「ぶんぶく茶釜だー!」
と。
ここに年長年中20名入りました。
縁側で食べたい子が多かったので、ジャンケンで限定6名でした。
3歳児5名は、2階の6畳間でゆったりと。
階下から歓声が聞こえるので
「下にも行きたいなあー」
「お弁当を食べたら行きましょう」
と、約束しました。
2階の子は下に、下の子は2階に、まるで冒険のようでした。
その日の帰りのお迎えは
「今日園長先生の家に行ってお弁当食べたの!囲炉裏が有ったよ!」
の報告。
迎えのお母さん方は「エッ?」
壁に掲示してある写真を見て納得していました。
豚インフルエンザで気落ちしていた園内が、子供たちの楽しい報告で皆幸せ気分になり、縁側囲炉裏の事でずっと会話が弾んだそうです。
皆が喜んでくれれば自分も幸せ。
そして喜ぶ顔を見た職員も親も幸せ気分になった園外保育でした。
ちなみに囲炉裏は、職員の交流会の為に数年前から使用しています。