17年目の『雛祭り』


17年前、我が家の2人の娘が2月に2日違いで、上は男の子、下は女の子と待望の出産となりました。男・男・女・女・女・男と我が家は6歳の孫を筆頭に、6人の孫となりまるで保育園のようでした。
 数週間が経ち、下の娘の女の子の初節句が近くなりました。その頃の私は、2家族の面倒で、毎日が精いっぱいでした。お風呂は孫6人の入浴で、自分が『ゆでだこ』になりそうでしたし、食器の片付けは30分以上かかりました。節句どころではなかったのです。
 そんな時、上の娘に「お母さん、妹がお義母さんから『まだ産まれたばかりだから初節句は来年にしよう』と言われて泣いているから。御雛様を買ってあげて」と言われました。それを聞いた上の娘婿が「今年も来年も同じ」と、時間もあったので、家族の世話で精一杯の私と共に、孫4人を連れて、雪の舞う中車を走らせ探しに行ってくれました。雛祭り間近でしたので、人形があるかどうかわからない状態の中探し回り、相模原の『久月』まで足をのばし、やっと手頃なひな人形を見つけ買ってきました。
 一夜飾りとなってしまい、縁起の悪いことは承知の上でしたが、雛人形を飾り、雛祭りのお祝いをしました。
 その年の12月…下の娘と女の子の孫が2人交通事故で急死してしまい、雛人形は形見となってしまいました。
 毎年、1歳に満たないで亡くなった孫の雛人形を、亡き孫の姿を思い涙を流しながら飾っています。生きていれば高校2年生です。
 そして、何時も思うことはあの時に買ってあげておいて良かった。ということです。翌年と延ばしていたら、きっと後悔の人生であったと思います。
 命に明日はありません。今日を大切に、今しなければいけない事を先延ばしにしてはいけないということを、私は身を持って体験しました。
 親として、子どもに自分の命を守れるよう、様々な体験と知識を幼いうちから教え育てる事が大切と思います。
 今、川崎市の中学1年生の事件が悲しみとして報道されています。
 まず、命が大切であることを、教えてほしいと思います。