子供に手をかけると言う事(1)


「子供に手をかけて育てる」とは、どう言う事でしょうか?
 子供が動き出せば、未分化のために動物と同じ行動をしますので、自分の身を守る為に危険な事をした場合は、声をかけたり、手を出したりして教えます。何でも触れたがりもしますので、触れても良い物、悪い物なども教えます。
 基本的には、子供にとって必要としない物には、触れさせない事でしょう。ゴミ箱、ハサミ、化粧品、テレビビデオ、電気ポットなど、室内には興味の有る物が沢山ありますが、それは親の物であって、子供の物ではありません。ここで、自分と他人を教えます。
 
 人の物に触れてはいけない社会のルールです。家族であっても、人の物に触れてはいけないルールを教えるべきです。テーブルの上、引き出し等も親の物で、子供の物ではない事を、手を出してはいけない事を何度も言って聞かせた方が良いでしょう。
 学校側から、「自他が理解できていない」との意見も良く聞きます。そこから、外で道やマーケットに出て走り回ったり、買い物に行って店の物に触れてはい けない躾が始まります。よく、「そんな事をしたら、○○にしかられるからヤメなさい。」と言う言葉を聞きますが、そうではなくて、人に迷惑をかけるルール であること、「やったら恥ずかしい、迷惑になる。自分もされたらイヤでしょう?」と言うように教えるべきです。
 日々の細かい部分への躾を見逃しているように思います。生活の中でも、「きれいね~、かわいいね、楽しいね~」といった心を育むことで、やさしい人を思いやる感性が育っていって、相手の気持ちを察する人間に育つのではないでしょうか?やさしい子はここからだと思います。
 毎日あせらずに子供と向き合って、目と心で見て、手を出して良い時、悪い時を見極めて接してあげる事だと思います。所詮、子供も一人で生きて行かなけれ ばならず、最後に親のできる事は、お金を出してあげる事、励ましてあげる事しか無いように思います。いずれは、親子の力は逆転して行く事を年頭に入れて育 てて行った方が良いでしょう。
 毎日の生活の細かい部分で、人を頼って子供を育てるのではなくて、最後は親の責任であります。子供は親に認めてもらいたい、褒めてもらいたい、喜んでも らいたくて頑張るのですから、その事を忘れずに、常に子供の「心」に目と耳と心を傾けて、学校へ上がる前に親と子の「心のきずな」、愛している、愛されて いる、信頼されているという自信を持たせて育てましょう。