最後の朝は天気もどうにかもちそうで、本当に良かったです。
昨晩から帰りの準備でバタバタと、「もう帰るのか・・・ 帰りたくない・・・」との声が聞こえてきました。特に6年生は、このメンバーで又会えるかどうか?初めは硬い表情の子ども達も、スーと手が出て補助できるようになり、昨日海から上って身支度を終えた子から順番に「かき氷を頼んでいいよ」と声をかけた時の、それぞれが嬉しそうな笑顔になった事が忘れられません。かわいい子たちです。
「えぼし荘」で野田村役場に以前勤務していた私のファンのおじいちゃんが、ヤギを連れて挨拶に来てくれ、身近でヤギを見ることが無い子ども達はそばに行き、触れ合いを楽しんでいました。人に慣れているヤギで、飼い主の方に後ろ足でジャンプして甘える姿が印象的でした。全員で記念写真を撮り終えると、フヂクラドライブのバスが盛岡から迎えに来てくれました。
大きな荷は朝食後に一ヶ所に集めて、先に宅配便で送り、帰り支度を済ませました。バスに乗って、帰りのスタートです。
野田村の中にある「マリンローズパーク」という廃坑になった炭鉱に9時頃に着いて、上着を着て見学です。この炭抗が活動している時は、野球チームがあり、映画館がありと村が賑わっていましたが、マンガンが必要とされなくなり廃坑となってからは、村も寂れてしまいました。ここで採掘された鉱物の他に、世界各国から産出された鉱物や宝石が展示されています。抗山の中は寒く、コウモリがいました。
「マリンローズパーク」の次は、子ども達が楽しみにしていたお買い物です。
野田村の駅にある「ぱあぷる」という物産店でお買い物をするのが毎年の恒例となっています。
私は昨日、私の祖母宅でご馳走になった地キュウリを、学童の子どもたちの為にお土産として買う為に道の駅に出かけました。見つけた地キュウリを40本ほど海老名に送ってもらったので、来週には届くと思います。道の駅では私の親戚が働いており、寄る度に探していたのですが、今まで中々会えずじまいでした。ところが今回、十数年ぶりに再会することができ、思い出話に花を咲かせました。
その親戚が子どもたちにソフトクリームをご馳走してくれ、今回の旅で2回目のアイスを堪能していました。
さて、お買い物を楽しんだら、こちらも子どもたちが待ちに待った「もぐらんぴあ」の時間です。こちらは海底を掘削して作られた石油の備蓄庫が併設されており、その過程の中で作られた水族館です。
地元の久慈市の湾岸に住んでいる魚の展示の他、3.11を生き抜いたウミガメ、ウツボのアパート、さかなクンのイラスト付きのお魚の説明、小さくても何時間でも楽しめる工夫が詰まっている水族館です。その中でも毎年たくさんの子どもたちが体験するのが、「ドクター・フィッシュ体験」です。1回300円(ミニタオル付)で、何回も来ている子はこの分を計算に入れてお買い物をするくらい人気があります。手や足を水につけると魚が寄ってきて、「くすぐったーい」、「気持ちいい!」など様々な声が。長い子は30分近くそこにいたでしょうか。
もぐらんぴあで十分に楽しんだ後は昼食です。ほとんど真横に公園があり、広い東屋がありましたので、そちらで昼食を食べました。その後、予定では葛巻高原に向かうのですが、昨日の琥珀博物館のお土産屋さんに買いたかった物があったという子が数名。昨日は財布を持っていない子もいましたので、本日急遽、運転手さんに寄っていただきました。お目当ての物が買えたようで嬉しそう。
琥珀博物館でのお買い物を終えて、今度は葛巻高原へ。どうやら葛巻は雨予報ですが、どうかなーと思いながら向かいます。道中の2時間弱は良い休憩時間となりました。「着いたよー」と皆を起こし、葛巻高原に到着。なんと、丁度の晴れ間だったようです。ここが最後のお買い物の時間。牧場の動物たちのぬいぐるみもあり、目を輝かせている子もいました。そして、ここで最後のソフトクリームタイム。子どもたちに聞いても、やはりここのアイスが一番美味しいとのこと。喜ぶ笑顔が見られて幸せでした。普段は葛巻高原で動物との触れ合いや、遊具で遊ぶのですが、今回は生憎の悪天候でしたので、お買い物を終えて盛岡へ。
17時頃に温泉施設「ユートランド姫神」に到着。ここは研修室を借りて夜までミーティングも含めて落ち着いて過ごせるので、数年前には毎年利用していたのですが、施設のイベントが重なったり、他の団体客の予約が入っていたりと、ずっと利用できていませんでした。久々の館内は変わっておらず、研修室に通してもらい、前半と後半に分かれて入浴と食事の時間です。ここのお風呂は露天風呂があり、天気が良い日は姫神山の雄大な姿が真正面に見える眺望の良いお風呂なのですが、今回は生憎の雨天ということで姫神山も雲に隠れ、残念ながら室内のお風呂だけを楽しみました。
入浴と食事を終えて、最後のミーティングの時間です。最終日は所属の学童と学年、名前を言ってもらい、全員に感想を発表してもらいました。「龍泉洞がきれいでした。」、「色んな体験ができてよかったです。」、「もぐらんぴあが楽しかったです。」など、また6年生は「最後の岩手でだけど、また行きたいです。」といった感想や、中には「次は弟が参加すると思うのでよろしくお願いします。」といった弟思いの感想も出て、心が温かくなる素敵な時間を過ごすことができました。
毎年課外活動の最終日には、私からご褒美のプレゼントを渡します。子どもに気づかれないように、尚且つ子どもたちが気に入ってくれそうな物を探すのが年々難しくなっているのですが、今年も何とか21名分確保しました。今回は3,4年生のプレゼント、6年生のプレゼント、更に班長さんのプレゼントで種類を分けました。1人ずつ名前を呼んで、渡していきます。「みんなで一緒に開けようね!」ということで、渡し終えてプレゼントを開けます。この時の子どもたちの表情を見るのが毎回の私の楽しみです。嬉しそうに顔を輝かせる子もいれば、こっちの方が良かったーと顔を曇らせる子もいて、本当に様々な反応が見られます。
そしてミーティングの最後に、今度は子どもたちから粋なプレゼントをもらいました。6年生の男子から、「最後一本で締めよう!」との提案があり、3人の男子が前に出てきてくれて、一本締めを知らない子たちに、「俺たちが”いよーっ!”って言ったら”パン”って手拍子してね。」と教えてくれて、「いよーっ!」、「パン」と見事な一本締めを子どもたちだけで披露してくれました。どこで覚えたのでしょうか。20年以上この課外活動をやってきましたが、一本でミーティングを締めたのは初めてでした。何とも微笑ましく、また子どもたちからのエネルギーを強く感じた瞬間でした。
ひとしきりプレゼントを楽しんで、荷物を整理していると、フヂクラドライブのバスがお迎えに来てくれました。ここにきて激しい雨と雷が。軒下で何とかバスに乗り、22時頃盛岡駅へ。夜行バスに乗車するまでにトイレを済ませたいのですが、この雨です。運転手さんにお願いして濡れないところで降ろしていただき、何とかトイレに行くことができました。まだ夜行バスが来るまでに少し時間があったので、ギリギリまでフジクラドライブのバスで待たせていただき、子どもたちに風邪をひかせることなく、何とか夜行バスに乗れました。昨年もそうでしたが、夜行バスの発車までバスの中で待たせていただいたり、行きたいところに連れていっていただいたりと、本当に子どものために臨機応変に対応してくださり、この岩手課外活動が安全にできるのはこのフヂクラドライブさんのお力添えがあってこそです。子どもたちとお礼を言って、また来年とお別れをしてきました。
帰りの夜行バスも岩手県北バスでした。23時10分、予定通り夜行バスが発車し、時間も時間ですし、疲れもありますから、ほとんどの子どもたちがすぐに眠りにつきました。明日の朝にはもう新宿駅、子どもたちには海老名駅に着いて、無事に親御さんの下に帰るまで頑張ろうと伝えてあります。天気が良いことを願います。