夏の白馬だより~1日目~

 毎年この時期に岩手に数年間行っていましたが、昨年は新型コロナウイルスの影響により岩手にも白馬にも行けなくなってしまいました。
 岩手は以前から感染者数が少ない中で、感染者数が国内でもトップクラスの神奈川からは中々”行きたい„とは言えず今年度も難しいかと思っていましたが、職員から「子ども達の為に、岩手ではなく白馬で考えてみてはどうでしょうか。」との提案があり、市内の小学校ではどのように対策をして修学旅行を実行したのか確認し、初めての夏の白馬ということで下見と打ち合わせを重ね、課外活動と感染対策の両立を一つ一つ検証した上で決定しました。
 計画し始めの頃子ども達に夏の白馬はどうか聞いてみると「行きたい!!!」との声が多く、正式に参加希望を募ったところ、なんと約50名の希望者が集まりました。今回は宿泊先や移動するバス内での感染対策の都合から、例年よりも少ない27名の枠しかなかった為、高学年から優先に4年生以上と先着順で一部の3年生が参加となり、他の子には今後も行ける可能性があるからと説明してなんとか納得してもらいました。

 7月28日(水)、前日までは台風の影響がありましたが、朝から晴天に恵まれて、7時30分、スーパーなかやの駐車場を予定通り出発しました。マスク着用でおしゃべりは控える、飲食も水分補給以外は控えるといった例年とは違った雰囲気の車内でした。最初のトイレタイムで初狩PAに8時30分着、2回目の梓川SAに10:30着と順調に旅は進みました。宿泊地である白馬村のペンション「ミーティア」には丁度12時に到着。例年だと梓川SAでの休憩の時にバスの中で昼食をとるのですが、今回は飲食禁止の為、ミーティアの敷地内の芝生やベンチでお弁当を食べました。気温は29℃と神奈川よりも涼しく、何より良い風が吹いていて木陰はとても涼しく、開放的で気持ちの良い環境の中での食事となりました。

 そこから川遊びの準備をして、13時30分にミーティアを出発しました。冬の課外活動ではよく使っているHakuba47スキー場の脇に川があり、そこで休憩を挟みながら2時間程遊びました。「水が冷たい!」と最初はひるんでいた子も、石を積み重ねて競争したり、水を掛け合ったり、開放感の中で遊びました。サワガニやカエル等の生き物を見つけた子もいたようです。石を重ねて水流をせき止めダムを作った子、上流であえて水を濁らせて、重ねた石群を通過させ濾過をさせる子、ダムづくりの為に流木を使って「てこの原理」で石を動かす子もいました。水で濡れた服は岩場で天日干し。みんな自然を使って見事に学習していました。
 昨日までは白馬も天候が悪かったそうで、私達が真夏を運んできたとインストラクターの福原さんにも笑われました。空は台風の影響なのか積乱雲が次々と形を作り、私達を楽しませてくれました。
 

 その後はせっかく白馬に来たのでと、1998年長野冬季オリンピックでスキージャンプの会場となったジャンプ台に連れて行っていただき、ジャンプ台の迫力を間近で体感してきました。点火台も見学することができ、写真撮影用の表彰台には金メダル選手が6人も立っていました。

 16時頃にミーティアに帰ってからは順番に入浴して、18時から夕食です。メニューはローストポーク、と白身魚のフライ、ライスとスープ、食後にはデザートが。ある年は食事を残す子が多くミーティアさんに申し訳なく思ったこともあったのですが、今年はほとんどの子が完食。小食な子も苦手があって手の止まっていた子も、同じ席の子に励まされながら頑張って食べ進めていた光景に、こちらも感動し連れてきた甲斐があったなという思いでした。

 夕食後のミーティングでは、毎年旅のしおりに感想や反省を書いて提出してもらい、こちらもそれに回答してから返却します。今回もみんな真剣に、黙々と書いてくれました。数年前から始めた試みですが、本当に良く文が書けています。川遊びでの体験やミーティアでの食事、怒られたことの反省など様々ですが、こちらもハッと思わされる内容もあったりしますし、これを読んでいるだけで笑みがこぼれ、報われる気持ちになります。川遊びの際におやつとして私が干し芋やパンを配ったのですが、次々とかばんから食べ物が出てくる光景が面白かったと書いてくれた子もいました。

 ミーティングが終わってからは、オセロや将棋をしたり、部屋でオリンピックを観戦したり、おやつを食べたりと思い思いの時間を過ごして21時に消灯。みんな疲れたのかあっという間に静かです。

 明日は大雪渓トレッキング。山の天候が崩れないことを祈ります。