今日は成人式の日。卒園生も大人の仲間入りをしました。
ある卒園生の話です。
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この御家族は、「一年生になりました。中学生になりました。卒業しました。」と節目節目に、きちんと御挨拶に来て下さる方々です。
お父様が、確か2、4、年生頃だったと思いますが、癌で亡くなられました。
入院なさった事を耳にして、病院にお見舞いに伺ったら驚かれて、「内緒だったんですがね・・・」と笑っておいででした。「先生娘達をお願いします」と言われ て「頑張って下さい。可愛いお子さん達の為にも」と励ましましたが、私には何も出来ませんでした。入退院をくりかえして亡くなられてしまいました。
告別式も、今でも目に浮かびます。子を残して逝く親の気持ちは、計り知れない悲しみであるはずです。
お父様が亡くなられてから、お母様の仕事の帰りが遅いので、心配で時々おやつを持って訪ねました。
成人したお嬢さんが4年生位だったと思います。
訪ねたらお母さんが居て、玄関で話し込み、帰ろうとしました。
彼女が私より先に、スーと外に出ました。
「あら、雨が降って来たんですね」と車に向かったら、サッと彼女が傘をさしてくれました。
(アッ)と思い、この娘は大丈夫、と確信を持ちました。
4年生でこの気使い、感動と嬉しさでいっぱいになりました。
親が人に感謝する気持ちを持ち続け忘れないから、子供もそのように育つのだと思いました。
天国のお父様が喜んでいる顔が目に浮かぶ成人式でした。