今しなければならない事

 散歩をしていたら、中新田コミセンの前のあぜ道に、“つくし„が芽を出して春を感じさせましたが、世界中が新型コロナウイルスの感染防止で頭を悩ませており、何時感染するか不安を抱えている毎日です。 国、県、市から次々と感染予防や感染した場合の対応についての情報が入ってきます。それも踏まえたうえで無事にこのウイルスが蔓延する事態を乗り切り、子どもたちが安全に、思い切り遊べる日々を早く取り戻せるよう職員たちも細心の注意を払って頑張っています。

 昨今行政からは「人混みの中には行かない」、「集会は避ける」等の通達が出ていますが、この状況の中、世間では子どもの命を軽んじているのではないかと感じ、危機感が薄いように思われるので、私の悲しい体験を皆様にお伝えして、「命の大切さ」を理解して頂ければと思います。

 下の娘が3番目の孫を2月下旬に出産して、私の家におりました。寒い時期であった事もあり、不注意から風邪を引かせてしまい、日中仕事中の私に娘から「熱が下がらず、顔色が悪くなってきた。」と連絡が入り、急いで小児科に連れて行きました。診察をしてもらうと「うちでは診きれないので、大きい病院へ行ってください。」と言われ、急いで紹介状を書いてもらい私の車で病院に向かいました。車の中で娘から「顔色が無くなってきた・・・」と言われ、「しまった。救急車を呼べば良かった。」と反省しました。

 病院に着き救急入口から入ると、「園長先生、どうしたんですか?」と当時の園児のお母さんである看護師さんが声をかけて迎えてくださり、本当にホッとしたのを覚えています。尋常ではない空気が漂い、緊張感が感じ取られ、私は廊下で1人不安と向き合っていると「Aちゃん頑張って!頑張って!」と看護師さん達が呼んでくれている声が聞こえてきました。私はボロボロと涙をこぼしながら、「神様助けてやってください。私の命と引き換えてでもお願いします。助けて。」と一人祈り続けました。娘はどんな気持ちだったのでしょうか。

 その後命は取り留め、保育器に入りすぐ入院となりました。10日間入院して無事に退院しましたが、院長先生も含め毎日見回ってくださったそうで、本当に感謝しました。

 さらに10か月後、突然の交通事故でその3番目の孫と娘は他界しました。娘も孫も別々の救急車で運ばれたのですが、母娘共に死亡時刻が一緒だったと聞いた時は驚きました。医師から伝えられたのは、孫が娘のことを待っていたとのことでした。

 私は「話せない、食べられない、歩けない」状態に陥り、地面に叩きつけられた思いでした。私を救ってくれたのは残された2人の孫と職員達です。

同じ様な立場になった時、皆さんはどうなさいますか?

      

・スマホを見ながら、打ちながら、走り回る子どもを見もしないで車道を歩く

・車道に平気で飛び出す子どもを管理せず会話をしている

・危険な場所でも構わず連れ出す

昨今この様な光景を見ていてゾッとします。他人事なのでしょうか・・・。

全てアッという間の出来事なのです。

これをご覧になった皆さんには、命を守ることを一番に考えて子どもを守って頂きたい。その環境で育つことで子どもも命を守ることを学びます。その想いから私の体験を綴りました。

新型コロナウイルスから命を守ることも同じだと思います。万が一感染したとしても医療の体制は万全ではなく、恐ろしい現状があります。

この世は「命」が一番大切であるということを、これをご覧になった方には肝に銘じて頂き、私の味わった様な悲しみが二度と起きないよう、願っています。